ちいさなおはなしの部屋 森とユニコーン

家庭文庫「ちいさなおはなしの部屋 森とユニコーン」です

朗読会に参加しました

 はつかいち市民図書館で開催された、「親子で聞くせんそうとへいわのおはなし 『ひろしまの満月』の朗読と作者の想い」に参加させていただきました。

図書館だより、『ひろしまの満月』

 この会では、ライアーの演奏と、『ひろしまの満月』(小峰書店)の朗読、朗読後に作者の中澤晶子さんの作品に込めた想いを聞かせていただきました。

 朗読の前に、ライアーの演奏があり、ライアーの優しく穏やかな音色がわたし達を物語の世界へと連れて行ってくれました。
 朗読後の中澤晶子さんのトークは、「原爆」という大きなものに対するお話ではなく、「あの日の人々」のお話をしてくださいました。当時の人々にも、それぞれの生活があり、家族があり、友達があり、夢や希望があり…今のわたし達と何も変わりません。
 日常を…大切な人を…将来を…一瞬で跡形もなく奪い去った原爆が恐ろしく、また、当時の人々のことを考えると辛く悲しく、胸が張り裂けそうでした。「未来への責任はわたし達一人一人にある」という中澤さんのお話が強く心に残っています。

 今まで、恐怖心でいっぱいだった原爆の話。
今日は、恐怖心からではなく、命の尊さを考え、平和を祈り、この気持ちを未来への繋げていきたいと思いました。朗読会に参加できて良かったです。

 

ひろしまの満月』
中澤 晶子 作
ささめや ゆき 絵
小峰書店

 庭の池に住んでいる亀の「マメ」。マメは、人間の言葉が話せる不思議な亀です。マメは長い間ひとりぼっちでいたせいで、自分の名前すら忘れかけていました。そんなある日、家に小学2年生の女の子・かえでちゃんが引っ越してきます。かえでちゃんの声を聞いたマメは、心の奥底にしまっていたことを思い出します。それは、いま思い出しても心がばりばりとやぶれてしまいそうな出来事、1945年8月の満月の日に起きたことでした。
 マメは、かえでちゃんと仲良くなります。「かえでちゃんになら、あの日の話ができる。」と思ったマメは、かえでちゃんにあの日の出来事を語り始めます。

ひろしまの満月』(小峰書店